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赤ちゃんを前向きに抱っこするのはダメ? 前向き抱っこのメリットデメリットとは

イベント , 抱っこ紐

まだ歩けない赤ちゃんとお出かけするとき、抱っこ紐は欠かせませんね。

街を歩いていると、赤ちゃんを「前向き抱っこ」している方もよく見かけます。

赤ちゃんが同じ景色を見られて楽しそうな姿に、つい真似したくなる方も多いのではないでしょうか。

でも実は、前向き抱っこにはメリットだけでなく、赤ちゃんの体や親の体にとって気をつけたいポイントもあります。

今回は、前向き抱っこのメリットと注意点について解説します。

■ 前向き抱っこのメリット

赤ちゃんが前を向いて抱っこされることで、得られる良い効果もたくさんあります。

1. 視野が広がる
生後6か月ごろになると、首や腰がしっかりしてきて、周囲の人や物への関心が高まります。
前向き抱っこは、赤ちゃんの「見たい」「知りたい」という探索意欲を刺激してくれます。

2. 気分転換になる
外の景色や音が目新しく、泣いていた赤ちゃんが落ち着いたり、ご機嫌になることも。
短時間のお散歩や買い物にはぴったりです。

3. 社会的な交流が増える
周囲の人と目が合いやすくなり、「かわいいね」と声をかけてもらうことも。
赤ちゃんにとっても保護者にとっても、外の世界との接点が増える良い機会になります。


■ 注意したいポイント

一方で、長時間の前向き抱っこや月齢に合わない使い方は、赤ちゃんの体に負担をかけてしまうことがあります。

1. 股関節・背骨への負担
赤ちゃんの股関節はM字開脚(脚が自然に開いた状態)で安定します。
前向き抱っこでは足が下に伸びやすく、この姿勢を保ちにくくなります。
また、背骨も本来は少し丸みを帯びていますが、前向き姿勢では伸ばされやすく、体への負担につながります。

2. 首・腰の安定性が必要
首すわりは3〜4か月、腰の安定は6か月前後が目安です。
この時期より早い前向き抱っこは、姿勢が不安定になりやすく避けたほうがよいでしょう。

3. 親子のアイコンタクトが減る
赤ちゃんの顔が見えないため、表情や体調の変化に気づきにくくなります。
「目が合う」「声をかける」といった安心感のあるコミュニケーションが減ってしまうこともあります。

4. 刺激が多すぎることも
光や音、人の動きなど、前向きだと刺激を直接受けやすい姿勢になります。
敏感な赤ちゃんでは疲れやすく、帰宅後のぐずりや夜泣きの原因になることもあります。

5. 安全面にも注意
重心が前にかかるため、保護者がつまずいたときなどに赤ちゃんが影響を受けやすくなります。
手すりのない場所や混雑したところでは特に注意しましょう。


■ ヒップシートを使うときのコツ

最近は、腰の位置で支える「ヒップシート」も人気ですね。
便利なアイテムですが、使い方を間違えると体に負担がかかることもあります。

・使用できるのは、腰がすわる生後6〜7か月以降が目安です。
・腰ベルトは高めのウエスト位置で締めると重心が安定します。
・長時間の使用は避け、10〜20分程度の短時間利用にとどめましょう。
・腰が弱い方は腰への負担、ベルトなしタイプでは肩への負担が強くなるため、自分の体調に合わせて選びましょう。


■ まとめ

前向き抱っこは、赤ちゃんが世界に興味を持ち始めた頃に楽しめる素敵なスタイルです。
ただし、発達の段階や体への負担に注意しながら、短時間・安全に取り入れることが大切です。

抱っこの時間は、親子の距離がもっとも近づく大切な時間。
赤ちゃんの表情や体のサインを感じ取りながら、その瞬間を楽しんでください。

当院のお昼休みのイベントでは、精華町でご活躍の萱場助産師さんが「抱っことおんぶの教室」を開催しておられます。興味のある方はぜひご参加ください。

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